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「家には知らない人を入れてはいけません」と教えられずに育つシセツっ子

養護施設にいる間の問題

 プロテスタントの教会のドアにはよくこんな張り紙(あるいは看板)がある
 
 「はいつも開いています、ご自由にお入り下さい」

 覗き窓のあるドアか、あるいはドアのない部屋か

 数年前、ある児童養護施設の部屋の子ども部屋のドアに覗き窓が開いていた事で人権的に問題があるのではないかという話が起きた。その施設の話は驚きを持って受け止められていたようだが、わたしはわたしで「わたしが居た施設にはそんな問題はなかったなあ・・・」と漠然と思っていた。

 しかし、後に自分が居た施設を見学する機会を得た事で、自分の感じ方のルーツを知る事になった。自分が出た施設にはそもそもドアというものがなかったのだ。



 だからわたしはいつも家の玄関の鍵を閉め忘れ、雨戸を閉め忘れ、トイレのドアも風呂場のドアも開放しまくっていたのだという事に気づいた。

 初めての車には数え切れないほど乗り、道を教えてあげて、事件性のない出来事を自己責任で生き延びてきた。彼らは「道を教えて」というので教えただけ。でも「いつも性的なおまけがつく」のだった。

 クリスチャンとしては「困っている人を放っておいてはならない」のだという認識しかなかった。まあ、それなりによく生きてたとは思う。わたし達は見ず知らずの人に親切にする事を教えられたけど、警戒しなさいとは教えられなかった。

 まじめなのにルーズ施設の女の子たち

 大人になり行った施設の旧舎を見学した際に、廊下に一列に並んだ通称うなぎの寝床みたいな部屋がぽっかり口を開けているのを見た。この一列に並んだ部屋にはドアそのものがなかったのだという事を知り、苦笑いした。

 いつも夫が言うように、わたしがルーズというよりも、施設環境そのものがルーズなのだとやり返したい気持ちになった。わたしはいつも夫から「君はまじめなのかウリをやるような子なのか分からない」と言われていた。

 それ以前に施設の子は、パーソナルエリアというものを確定できない育ち方をしてると思う。多くの場合、ルーズな人間関係になだれ込んでしまう。自分を守るという感覚を教えられてないので、当然ながら施設全部育ちの女子や男子の自己責任にゆだねるわけにいかない筈なのに、結局はすべて自己責任なので・・・。

 自分の守り方って何?

 同じ施設を出た子と語る機会があった時、彼女達は意外とまじめに人生を考えているのに、とてもだらしない服装で口も悪く、どう見ても誘っているようにしか見えなかった。でも彼女らは色んな意味で自分を守る方法を教えられていなかった。

 だから自分を守る話なんて彼女らとした事がなかった。大概はいわゆる「性的な武勇伝?」ばかり。変なパワーゲームになりかねなかった・・・でも、施設の子は何も誇れるものがなくて性的なことでしか主張できず、とても虚しい。

 一般家庭では「家には鍵を掛けなさい」と教えられるのに、施設には前触れもなく誰かが見学にやってきて、部屋のドアを(← 大人になってから行った新しい舎の子ども部屋にはドアがあるが、見物客への対応は同じ。これでも進歩した。)開け、メモを取り、詫びも無く去っていく。

 子ども達はいきなり他人が入ってきても「どうぞいらっしゃい」と言わねばならなかった。

 わたしはそういう感覚に慣れすぎていて、自分の部屋には人を入れてはいけませんという感覚が育ってなかった。でもどれ程自分がまじめに生きて来ても、パーソナルスペースを持たない子に、自分の守り方を教える事は大変な作業なのだと感じている。

 家庭の子には前提として、知らない人が家に入ってこない状況が保障されているとしても、児童養護施設にはいつも知らない人も知っている人も、人の出入りが当たり前にあって、その感覚が当たり前だった。わたし達は今でもこの感覚を引きずって生きてしまっているように思う。

|  養護施設にいる間の問題 | 09時26分 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

家庭では問題となる事が・・・

 福来さん、おはようございます。

 わたしも福来さんのブログを読ませていただいて、よくハッとする事が多いのです、わたしも又、なかなかレスが出来ないものの、勉強させていただいてます。

 さて、わたしも、ここ最近漠然と考えていた事なのですが・・・

「虐待を助長しやすい家」のエッセンスが凝縮されたモデルケースみたいだな、と思ってしまいます。鍵が付いていない、ドアがない、プライベートな場所が存在しない。施設ってそういう場所なんだってよく分かる内容の記事でした。

 このようなケースは、家庭ではおそらく問題になるのではないかとわたしも思うようになって来ました。人と自分の境界線もなく、流動的で、それでいながら情報的には閉鎖されている事も、家庭では、それが日常だとしたら問題が発生するリスクが高くなると感じるようになって来ました。

 しかし施設ではそのような子どもの居住の環境は、施設的には日常でした。それゆえ特に乳児院・施設しか知らない児童は、ごく普通としてその感覚を受け取っています。

 そして社会に出た時に、問題として表出していまうのだと知りました。

 わたしが居た頃は隊列を組んで学校へ行く、同じ髪型しか認められない、早朝マラソンを強制されるなどが当たり前でした。

 でも今はこの養育環境をそのまま一般家庭に当てはめたら、地域でも問題のある家庭となり、時にはその家の児童は相談所への保護対象にされるかも・・・という笑えない想像をしてしまいます。

 いつも読んで下さりありがとうございます。わたしも又お邪魔しますね。

 

| Lei | 2009/08/22 09:40 | URL | ≫ EDIT

施設の子は性的被害に遭いやすいという知識だけはありました。

多分プライベートゾーンという概念を教えられる状況ではなかったのだろうな、と想像はしてましたがドアが付いていないとか「どうぞいらっしゃい」と他人を入れるのが当たり前とか、やはり具体的に挙げていただけるとよりイメージしやすくなりますね。

ありがとうございます。


他人の部屋に入るのも他人を部屋に入れるのも、なかなか勇気のいることです。それを教えられずに心のドアをあけっぱしにして詐欺に遭いやすくなる、性的被害に遭いやすくなるというのは自己責任ではないですよねえ。ただみんながんばって真面目に生きてるだけなのに、それを自己責任という言葉で済ませようとするところに、この国の多くの矛盾やひずみを感じてしまいます。

自分のブログでプライベートゾーンや虐待についてやっていますが、「虐待を助長しやすい家」のエッセンスが凝縮されたモデルケースみたいだな、と思ってしまいます。鍵が付いていない、ドアがない、プライベートな場所が存在しない。施設ってそういう場所なんだってよく分かる内容の記事でした。

子どもたちやLeiさんのお体は大丈夫なのかとても心配です。


いつもとても考えさせられる記事ですが、うまく言葉にできずに感情だけが溢れて来てしまいます。私ができることは知ることなんだろうな、といつも読ませていただいております。読むことしかできませんが応援しています。

| 福来 | 2009/08/21 22:25 | URL |

新しい舎にはドアが付いてるけど

 Maria、ありがとう。

 >今思うとその子の感覚の方が正しかったのかな・・・。

 わたしはMariaはその時必要な事をしたのだから、感覚はともかくとして対応はとても良かったとしか言えない。

 Mariaはその場面で必要な事をしたのだと思うの・・・。
 
 確かわたしが居た頃は子ども部屋にカーテンかのれんを下げるかどうかでひと悶着あったと後輩が教えてくれた。

 大人になってから施設に行ったら、新しい建物になっていて、その子ども部屋にはドアが設置されていたけど、相変わらず見学者のわたし達に部屋を見せられた。

 夫は職員の態度に引いてしまったけど、わたしは慣れているので平気で部屋を見学してしまった。後で夫が「抵抗あるなあ・・・」と言っていた。
 
 彼が言うには家に入ってくる人は全て知っている人だけだそうだ。ましてや子ども部屋なんて絶対に案内しないらしい。そういう感覚を知らなかったよ。

 だから自分を守るっていう事が、まず、水際でどう守るのか感覚的に分からない子が多い・・・。CAPで、こういう事を施設の子に教えてもピンとくるのかな・・・。

| Lei | 2009/08/20 07:10 | URL | ≫ EDIT

Leiちゃん

 ほんとうに施設は、色んな人が出入りしていた。あたしの施設も子ども達の部屋にはドアがなかった。でも職員室とかお風呂場、倉庫などには鍵が付いていて、職員が守衛さんのようにジャラジャラと鍵を持って開けたり閉めたりしていたの。

 だから鍵を掛けるのは大人がする事で、子どもは全く関係ない事だと思ってたの。あたしも施設を出た後、やっぱり鍵を掛ける発想が無かった。

 そして部屋に男の人を簡単に入れちゃいけないと、そういう知識も無かった。だから、武勇伝?みたいのも・・・。彼からは「何で知らない人を家に上げるんだと怒られてばっかり」

 部屋の荷物がごっそりと消えていた事もあったの。そして、少しずつ学習していったの・・・。鍵は掛けなくちゃ色んな事が起きると。

 人前で女の子が着替えちゃいけないという事も知らなかった・・・。施設の子ども部屋にはドアが無くて、ある日突然、職員と一緒に見学者が現れるのが常だった。

 見学者は申し訳なさそうにモジモジしているけど、職員は当然の顔をして部屋の説明をしていた。あたし達もにっこりと笑って「こんにちわ」とお行儀よく挨拶をした。見学者は何故かホッとしたような顔をして「こんにちわ」と挨拶をしてくれた。

 中には「てめえ、勝手に入ってくるんじゃねえ」と叫ぶお行儀の悪い子もいたけど途中から入って来た子だった。あたしは部屋長として、お客様には「礼儀正しい態度をとりなさい」とお説教した。

 今思うとその子の感覚の方が正しかったのかな・・・。

| Maria | 2009/08/19 13:03 | URL | ≫ EDIT














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