Firedragon戦記/絆なき者の記録

元・児童養護施設内マイノリティの自己主張ブログ

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 この間、Mariaが「一時間で読めるわよ」と、一冊の本を貸してくれた。ついつい引き込まれた・・・。湯浅氏のHPやもやいのスタッフの方のブログなどを読む機会も多いので、本を読むのは自分にとって自然ななりゆきだったが、改めて読むと現実が身に染みる・・・。 

 わたしはこの本を乳児院・児童養護施設全部育ちの事を念頭におきながら読み進めた。

 養護施設を出て社会に出ると、今まで棚上げされていた問題が一気に振りかかってくる。本人は1人で生きてゆくだけで精一杯だけど、その1人で生きてゆくことが施設全部育ちにはさらに難しい。

 この本を読んでいると、たんに絆がないとかそのような表現では追いつかない。実際のセーフティネットが全くない事の現実を突きつけられる。

 ホームレスになるまでの段階が施設育ちの場合、極端に短い。家庭で育った人がホームレスになるまでの幾つもの外されてゆく安全弁の段階を、養護施設全部育ちは施設入所期間中に全く改善されないまま過ごす。社会的養護下にあったにも関わらず、施設にいる間に、その子どもに関わる色々な溜【ため】が与えられず、改善されず、修復もない。

 自分も色々なモノの無さを身に染みて生きてきたが、自らの努力だけではどうにもならない現実があると知った。施設で散々聞かされてきた自己責任という言葉が意味をなさない。同じように施設を出ても、社会に出ても何とかやていける子は、出身家庭の機能がどこか活きている子たちばかりだった。

 そういう子と比べられて「他の子はちゃんとやってる」と責められても困る。まるで本人が怠けているかのような言葉が多かった。たった一度のチャンスさえ活かしきれない養護施設全部育ちの問題を、本人の問題に摩り替えられてゆく。

 親も親戚も兄弟も一切寸断されてしまっている者は、全く溜がない状態で、ワンチャンスで生きねばならない・・・。

 こんな風にブログを書いている自分も明日どうなるかと内面では覚悟している。その覚悟が正しいかどうかもわからない、ただ、結果を引き受ける生き方しか施設育ちは学んでいない。それは結局自己自滅への道へ至りやすいという事だ。

 ・・・なんと言って良いか判らないが、ともかくご紹介。湯浅氏の言葉は一つ一つ重い。養護施設の虐待問題や里親関係でこのブログへ来られる方々も、よろしかったら本記事のリンク先から、もやいHPへ行かれてお読みくださるとうれしい。

 わたしは、里親という道を選び、小さな子の絆相手になろうとして下さる方々に、この本を読む事によって、新たに感謝の念を覚えた。そしてわたし達児童養護施設全部育ちが、自分が思うよりも厳しい現実を、ある意味その危うさを認識できないまま、社会へ放出されるのだという事も理解した。

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