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自立:「社会の歩き方ガイドブック」もなく親に依存して生きた事もない子ども達の自立とは

養護施設を出てからの問題

 わたしなりの実感的な感想

 ★二夜目の美嘉さんのこと http://escapeorgoodfight.blog85.fc2.com/blog-entry-782.html が心に残ったので、彼女の事と絡めて感想文を書きたいと思います。



 就職先をなかなか決められない美嘉さんを見てると、美嘉さんは施設の長期入所児童特有の、あいまいで見えない霧の中にいるように思えてならなかった。そして高校を中退して施設を出る事で、施設からも中退したら捨てられたという事実を彼女は整理する間もなく、自立自立と騒がしく言われている。
 
 高校を中退したので養護施設を出ざるを得なかった彼女の事に、ぼんやり思いを馳せた・・・。いえ、家庭生活を体験した事のない本質的な問題を・・・。

 わたしの場合の自立は、ここから

 電車の乗り方が分からない、バスで万札を出した時、お釣りの貰い方が分からず大パニックになった挙句バスからとっさに【運転手さんにドアを開けさせ】飛び降りた事もある。バナナを房で売っていたのを一本ちぎってレジに持って行き、レジのお姉さんを困らせた。そんな大人買いを知らなかった。

 就職中の下宿先で、お風呂を一度も沸かした事がなかったのでボヤを起こし、訴訟一歩手前だったけれど「わたしは一度もお風呂を沸かした事がないんです、見た事がないんです」と正直に言い、呆れられて許された。

 炊飯器が怖くて今も石(セラミック製)の鍋で炊く、電子レンジを見た事がない、オーブンが派手な火力なので怖い、三角コーナーをザル蕎麦用の網だと思い、ずっと使っていた・・・、

 それ以前に料理を作るのにレシピを読んだ事がなかった、隣組は隣の組の事であり、自分の組とは違うと思い、全ての地域の会合に参加しなかった。

 わたしにとっての自立支援とは、仕事しろとか、やる気あるのかとか、そんな事では片付けられない問題があった。そんな事以前に、実はこの世界の事が全く分からないわたしに、その問題を理解していてアドバイスしてくれる人が居なかった。美嘉さんは、わたしがつまづいた些細な日常生活のスキルの無さについて、自信を喪失しているのではないだろうか、自分が無力で何も知らない事を一番感じているのではないだろうか・・・。

 この「地球の歩き方」ならぬ「社会の歩き方」なんていうガイドブックも持たず、いきなり社会へ放り出されて、彼女は当然それなりの年齢でもあるし、自立自立と大合唱だったので、何とかがんばろうと思ったけれど、この世の、この世間の事を一度も体験した事がないっていう問題には、思い至れなかったように思う。可哀想で泣きたくなった。

 夫はそんなわたしを見て、知的な障害を持っているのかな?と思っていたらしい。彼からすると、家庭で育てばごく普通に身に付けている筈のものが全く身に付いて居ないので、私自身に問題があると思っても無理はなかった。

 以前、夫は言った。

 彼は養護施設をずっと世間の多くの人がそうであるように「家庭的」だと思っていたのだから、わたしが、基本的な家庭スキル、社会スキルを持って居ない事実を衝撃的に受け止めたと。最低限身に付いてない事があるのに、自立しろ、仕事しろと言う。お腹いっぱいの愛情を受けてないという問題だけではない、社会に出て普通にやっていける家庭力、社会力を全く美嘉さんは教えられていない。

 施設という場所をケア施設として語れば、虐待の話しか出てこない。しかし美嘉さんのような長期入所児童は、自立だとお尻を叩かれるばかりで、生活をするという、具体的な指標が見えないように思う。

 わたしにとっての真の自立の部分は恥ずかしい部分

 まずは、バナナの買い方、肉の買い方、生活するスキル、生きるスキル、美嘉さんが求められてしまう課題が、あの頃、施設を出たばかりの頃の自分の気持ちに重なる。

 小さな頃から施設に居た子は、傷ついた子という括りでは足りない。捨てられている上に社会で生きていくための、家庭で子育てするためのスキルが全く与えられてないという問題がある。

 美嘉さんにインタビューしてほしかった。

 「どうやってお米を洗ってますか?」
 
 「お米の洗い方を何処で知りましたか?」

 と。

 社会で小学生でも知ってる事でつまづく悲しさ

 自分に自信が持てない美嘉さん、わたしも自分に自信が持てなかった。それは観念的な問題じゃなく、社会に出てからのつまづきが多すぎる、しかも小学生でも知っていると称される事でつまづくことは、自分を消極的にするし、自信を持てなくする。しかもこんな内容のつまづきを誰にも話せない。

 自立ってどの範囲だろうか。自立自立とうるさいが、ごはんを炊いた事もなけりゃ料理を手伝った事も、家庭を体験した事もない児童養護施設長期入所の子が、どうやって自立すればいいの?努力だけですむの?ともかくわたしの場合は、電車に乗って会社に行く事だけでも挑戦だった、疲れる毎日だったと言いたい。これで人間関係がうまくいくわけがない。

 わたしは、自立という言葉を聞くと、まず自立できそうな土台【養育環境】をわたしに与えろ!と思っていた。傷ついた子の話も大事だ、でも、社会から捨てられた子の話もしなくちゃならないと思えてならない。

 子どもが虐待されない、子どもが社会から排除されない、子どもが大事にされなきゃ日本の未来はないと思った。大事にされた子がやがて老人を大事にできる、国を大事と思う。わたしは一生懸命この国に愛着を持とうとがんばってるけど、そうではなくて、努力しなくても、この国を母国と感じ、湧き上がる愛情を持てる子ども達が育ってほしい、大事にされてほしいと思った。

 わたしの自立は、小さな事がわからない、誰もが当然判ってる事が分からないという事とのせめぎあいだった。とてもとても、人間関係がどうだとか・・・そんな事まで分からないほどに世界は全く違うものだった。

 

|  養護施設を出てからの問題 | 10時34分 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑














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